Shooters FC
We are crazy about football! No one can stop us! (日本人サッカーチーム in 香港)
2014-15 Legal League第17節 vs Young Guns 2015.3.7 @Ma On Shan Recreation Ground
2015年03月26日 (木) 12:19 | 編集
Kick off: 15:00
気温: 18℃
湿度: 60%
天気: 曇

〈布陣〉
          津田哲平
         (佐藤順平)

    加藤新竝  名取一樹  小林佳樹
   (原 仁志)      (間野泰光)
               (二宮義和)

       西井敏之  齋藤 弘

 鈴木 周  吉泉光一  工藤晋一  吉村康弘
(垣崎 靖)            (西田耕二)

          益山秀人

〈レポート〉
 旧正月後の2試合目は宿敵クラウツ戦の敗北後の立て直しを図りたい試合だ。相手はリーグ首位のYoung Guns。しっかり準備をして慎重に臨みたいところだ。しかしこの日のシューターズ、皆が上手く試合に入れたかと言えばそうでもない。

「あれ、グラウンドはどっちかな?」

 集合時間を15分程過ぎた午後2時15分、MTR Heng On駅すぐ近くで原が首を傾げていた。本日の会場であるMa On Shan Sports Groundは、シューターズにとって初めてではないものの香港島サイドからは便が悪く、アップを兼ねてBoen Rdをジョギング中キャップのガールフレンドと遭遇したため時間に遅れていた原は焦っていた。と、そこに丁度良く風紀委員長二宮が通りすがる。冷静な二宮はピッチまでの道に詳しく、二人は20分の遅刻で現地に到着した。Young Gunsのような強敵に集合からこの始末、鬼と言われた前キャップ内野航平であれば、「何フワフワしてるんだ!」と怒鳴っていただろう(しかし当日内野は日本、助かった……)。

 試合開始30分前、アップ中の小林佳を異変が襲う。季節外れの蚊に刺されたような跡が膝裏に多量に発生したのだ。「俺は今攻撃を受けている! 新手のスタンド使いか!」その後、攻撃していたのはMa On Shan Ground西側にのみ生息する小さな殺人蚊(著者注1)で、相手チームの中にその使い手がいるらしいことが分かった。小林は自らを刺した蚊の針を強靭な筋肉で締め付け、抜けないようにしてしまうという、蚊針締付術を体得しており、そのおかげで事なきをえたが、刺されたのが他の部員だったらと考えると……やはり首位のチーム、試合開始前から安心できない。

 午後3時、試合は静かに始まった。シューターズのプレスの速さと、前回に敗れはしたものの0-1という結果に相手が警戒しているせいか、開始5分の支配率も五分五分、悪くない展開を予想させた。

 しかし開始6分、シューターズをアクシデントが襲う。左MF加藤が相手との接触プレーで足を捻挫したのだ。幸いグラウンド管理事務所に氷が用意されており、アイシングを施したが、プレー続行が不可能になってしまった。これに対しシューターズは新加入の佐藤を投入し、事態の打開を図る。

 するとその佐藤が早速魅せる。10分、左サイドコーナーフラッグ近くでボールを受けた後すかさず縦に突破、これが相手DFのファウルを誘いFKを得たのだ。このFKは相手に跳ね返されたものの佐藤はこの後も再三突破を試みる。

 この日のシューターズは、相変わらず出足の良い守備で度々Young Gunsの攻撃を途切れさせていたが、リーグ首位の相手を極度に警戒したせいもあり、つなげそうなところをクリアしてしまったり、やや勿体無い場面が散見された。

 Young Gunsが少しずつ支配率を上げ、シューターズが走らされる局面が増えてきた22分、思わずペナルティ前でファウルを犯すと、Young GunsのFKがシューターズのGK益山を襲う。この守護神、数日前に3月末で日本への移籍を発表していたが、実はシューターズきってのサッカーエリートであった。高校時代は1年生にしてレギュラーの座をつかみ、福島県代表として高校総体に出場。GKとしては高くない身長ながら、抜群の反射神経で活躍していたそうだ。彼の身長があと20㌢高かったらこのスポーツでご飯を食べていたかもしれないし、筆者も彼と肩を並べるGKは”マッチ”(注2)以外に見たことがない。

 前述の通り、彼は帰国を決めていた。これは筆者の勘繰りであるが、実は妄想小説家への転身を図ってのことではないだろうか。彼にはサッカーだけでなくモノを書くセンスがある。シューターズのマッチレポでもその文才を余すところなく開花させていた(編集部注:バロンドールとピュリッツァー賞のダブル受賞も夢ではなかったですね)。

 話を試合に戻そう。Young GunsのFKはゴール右隅ぎりぎりを捉えた、なかなか良いコースだ。すると益山が横っ飛びでボールに触ったように見えたが、わずかに届かずシューターズは先制点を与えてしまう。恐らく通常の益山であれば余裕のボールだったはずだが、小説のアイデアを妄想中だったのかもしれない。

 不運な失点にめげることなく走り続けるシューターズだが、26分、今度は自陣右サイドを突破される。DF陣が身体を投げうってシュートコースを塞いだが、ゴール前で繋がれ、ボックス前からまたもやゴールを決められた。Young Gunsはここまで圧倒的にゲームを支配していた訳ではないが、4分間に立て続けに得点を挙げられるのはさすが試合巧者と言うべきか(グラウンド外に飛んでいったボールを拾いにいってくれた二宮、小林両選手、ありがとうございます)。

 エンドが変わった後半、先にチャンスを作ったのはシューターズだった。5分、斎藤が相手ボックス近くで倒されると、FKで恐るべき得点率を誇る吉村が直接狙う。強烈なシュートは力強くゴールに向かっていったが、惜しくもボールはバーを越えてしまう。また8分、またもや斎藤が右足でミドルを狙うがこれは惜しくも左へ外れていった。一連のミドルシュートはハーフタイム中の「あのGK、ミドルシュートが効きそう」という斉藤の指摘に沿ったものだった。

 まだまだゲームはこれからだと、シューターズの誰もが思った9分、またもやYoung Gunsの高い決定力が牙を剥く。シューターズが右サイドから攻めに出ようというところを低い位置でボールを奪われ、そのまま右サイドを突破され、クロスから30番に決められてしまったのだ。0-2から1点返せばまだまだゲームは分からなかったという展開だっただけに、この失点は効いた。

 しかしシューターズは諦めない。15分にコーナーを得ると西井のキックに工藤が合わせヘディングシュート、しかし不運にもこれはキーパーの真正面へ。直後の22分、逆に相手CKが直接ゴールポストに当たり跳ね返ったところをフリーで決められ0-4とされてしまった……。

 その後、原のセンタリングから津田のボレーなど、最後まで諦めることなくゴールに向かったシューターズだったが、無情にも0-4のままホイッスルが鳴り、前回の0-1の雪辱を晴らすことができなかった。前後半ともに入りは悪くなかっただけに悔やまれる敗戦であると同時に、Young Gunsの決定力の高さを見せつけられた試合であった。

 これでシューターズは1/26にSamurai Bluesに3-0で勝利して以来4連敗中だ(KCC Royals戦: 1-3, Legal Head戦: 2-3, HK Krauts戦: 1-2, Young Guns戦: 0-4)。上位陣との試合が続いたとはいえ、上位を狙うシューターズにとっては悔しい結果である。追い打ちをかけるようではあるが、これまでシューターズのゴールに鍵をかけていたGK益山が3月をもって帰国する。怪我人、病人も抱え、試練は続くが、まだまだリーグは終わっていない。各人めげることなく、フワフワせずにやるべきことに取り組んでいくことが、改善につながっていくと信じたい。

注1: 民明書房刊「亜細亜暗殺と蹴球の歴史 其ノ壱香港編」(1985年、絶版)より

注2:シューターズ史上初のプロサッカー選手(ただし本業は商社マン。)マカオリーグでGKとして活躍、当時得点力不足に悩んでいたシューターズでは主にFWでプレーした。マカオで1回家に泥棒に入られている。

文/原 仁志

〈試合結果〉
Shooters FC 0-4 Young Guns

〈今季成績〉
2014-15 Legal League
8位 勝ち点22 7勝1分8敗 得点24失点22

http://www.legalleague.com.hk/seasons.php

〈今季チーム内ランキング(全公式戦)〉
【得点】
1位 吉村康弘 5得点
2位 津田哲平 4得点
   名取一樹
4位 新田 悠 1得点
   川端勇介
   今井雄一郎
   西井敏之
   間野泰光
   杉山俊哉
   齋藤 弘
   井頭英信
   井川洋一
   福谷健二
   田口聖教
   石黒敬司

【アシスト】
1位 間野泰光 2アシスト
   西井敏之 
   齋藤 弘
5位 Kwan   1アシスト
   小林佳樹
   石黒敬司
   吉村康弘
   星 哲史
   加藤新竝
   名取一樹
   桜井達夫
   津田哲平
   杉山俊哉
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2014-15 Legal League第16節 vs HK Krauts 2015.2.28 @Po Kong Village 2
2015年03月26日 (木) 11:27 | 編集
2015年2月28日
Kick off: 14:15
気温: 13℃
湿度: 64%
天気: 曇

〈布陣〉
           津田哲平
          (杉山俊哉)

   佐藤順平    西井敏之    間野泰光
  (石黒敬司)  (齋藤 弘)  (二宮義和)

        小林佳樹  名取一樹

 鈴木 周   工藤晋一  吉泉光一  今井雄一郎
(西田耕二) (田口聖教)      (吉村康弘)

           益山秀人

〈レポート〉
「今日のレポはアマちゃんね」

 スタメン発表、試合前の戦術確認などが終わり、各自、最終準備をするために一度は解散しかけたチームの輪を呼び戻す形で、名取主将から今週のレポ担当が発表された。「そろそろくるな~」と予感はしていたが、よりによって今日とは……。明日からいただく遅めの旧正月休暇と引き換えに課せられた試練である。

 このHK Krautsとの大一番から6日経った3月6日、金曜日の夜、試合メモを片手に必死に当日の記憶をたどっている。しかし案の定、大方の記憶は旅行先に置いてきてしまい、ほとんど覚えていない。

しかも、頼みの綱の試合メモも、試合当日、動揺のあまり控えメンバーに依頼しないままピッチに出てしまい、前半部分は空白である。

 苦し紛れ、最後の手段として、記憶に残っているシーンにスポットを当てて試合を振り返りたい。

──前半得点シーン──
 巨漢に似合わず、丁寧に細かいパスをつなぐHK Krautsに高いポゼッションをキープされ、試合開始から一方的に攻め続けられる前半となった。あわやオウンゴールという場面もあったが、我らが守護神、益山を中心に最終ラインの踏ん張りでなんとか持ちこたえる。

 しかし、前半24分、自陣の右サイドを深くえぐられ、中央付近に折り返された低いクロスを逆サイドから走りこんできた相手SMFに合わされて先制を許してしまう。

 実は前半10分過ぎ、これとまったく同じ動きで右から崩されて、ゴール前で決定的なシーンを与えてしまった。その時の左を守っていたのは私である。

 逆サイドの深い位置に攻め込まれるとどうしてもDFは相手を背負うことになる。それに加えて、私のように経験値の浅いプレーヤーは、ボールウォッチャーになってしまう。

 例外なく、この場面で私は自分がマークすべき相手選手がどこにいるか全く把握できていなかった。低い弾道のマイナス気味のクロスがゴール前に折り返され、後ろを振り向く様な格好で動き出すものの時すでに遅し、トップスピードに乗った相手SMFが走り込んできてキーパーと1対1の局面をつくられる。相手がインサイドで合わすだけの比較的簡単なボレーをミスキックしてくれたため救われたが、1失点に等しい状況を献上してしまった。

 第15節のLegal Head戦でもサイドからのクロスに対して、DF陣がボールウォッチャーになってしまう場面が見られた旨、名取主将からの注意があった。改めて、自陣サイドの深い位置に攻め込まれた場合は、ボールだけに気を取られないように声を掛け合い、ボールではなく相手に喰らい付いていくことの大切さを勉強する失点となった。

──ハーフタイムの指示──
 ハーフタイムに齋藤副主将より全体的にマークがずれている旨、注意が促される。流動的に選手が走り、余裕を持ってテンポよくパスをつなぐ相手に対してSFCは、パスが出てから動き出しているため全てが一歩遅く、自分のマークをしっかり抑えることができていない。その上やはりドイツ人、見た目通り競り合いは相当強い。気持ちで負けない、怖がらずに身体をぶつけるようと名取主将からも激が飛ぶ。

──後半──
 SFCボールで後半スタート。キックオフと同時に下げられたボールを最近ボランチでの活躍が絶賛される西井が大きく左に展開、このボールを新加入のポジションはどこでもこなせる佐藤が絶妙なトラップ。相手コーナーフラッグ近くまで持ち込みクロス、幸先の良い後半のスタートとなった。

 後半5分、佐藤→西井→齋藤→今井と滑らかなパスワークでピッチの左から右へ、斜めに横断。「サイドを基点にタメをつくって展開していく」という今季のSFCが課題として挙げているプレーを垣間見ることできた瞬間である。

 後半15分、齋藤が身体を張って得たフリーキックのチャンスに、伝家の宝刀、吉村のキックで相手ゴールに迫る。少しづつ流れがSFCに傾き始める。

──後半失点シーン──
 しかし後半27分、CKのチャンスを得るが、逆にそのこぼれを相手に拾われてカウンターを喰らう。ものの数秒で形勢が逆転、3対2の数的優位を作られて失点してしまう。攻めてはいるが決定的なチャンスを作れないまま、2点目を献上しまったイレブンは落胆を隠せない。

──後半得点シーン──
 だがその3分後の後半29分、相手右サイドからのCKを得る。帰国した井川委員長、怪我で離脱中の加藤と今までCKを蹴ってきたメンバーが不在の中、ボールをセットしたのは今日、晴れて香港留任決定との発表があったSFCの希望、杉山俊哉である。

 第14節のKCC Royals戦で、杉山は高い相手DFラインに対して、低い弾道のクロスの重要性を説いていた。正にその有効性を実証するような低く鋭いピンポイントクロスが放たれる。それを待ち構えていたのは、髪型変幻自在の石黒である。目の覚めるようなドンピシャのボレーにキーパーは1歩も動けず、ボールがネットを揺らす。いつもサッカー用品をビニール袋入れ、肩から引っさげて試合会場にくるこの男、やはりただ者ではないようだ。

 最後に傾いた流れを掴むべく、終了間際の後半32分、ハーフウェイライン手前から吉村の超ウルトラロングピンポイントキックがゴール前の齋藤の頭をめがけてキレイな弧を描くも、あと数センチ足らずにミートできず、試合終了となる。

 結果は1-2の敗北。スコアだけみると上位相手に接戦を繰り広げたようにしたようにも見えるが、残念ながら試合内容的には完全に実力の差を見せ付けられてしまう形となった。後半は大分ボールをつなぐことができたが、バイタルエリア内では決定機を作らせてもらえず、相手に脅威を与えるような攻めができなかった。

 リーグ日程の都合から、今回のKrauts戦は前半分である。3週間後の3月28日には後半戦分として再戦がある。

「ローマは一日にしてならず」短期間でこの力の差を埋めることが難しいのは周知の事実である。しかし「一眼二足三胆四力」(いちがん・にそく・さんたん・しりき)という言葉があるように、工夫次第では力の差を埋め、勝つ手段はあると考える。

※様々な解釈があるが、私の空手の師匠の教えは、見せかけの腕力以上に大切なのは観察力・フットワーク・気合いであり、「一眼」「二足」「三胆」が揃ってはじめて、本来持っている「四力」=力量を発揮することができると説く。

一眼:相手にどんなプレーヤーがいて、それぞれどんな特徴や癖を持っているか、各自今日の試合を思い出し、頭にインプットして次の試合に臨む。試合中も絶えず相手を観察して、声を出してみんなで情報を共有する。

二足:試合までの3週間、各自ができる範囲内でコンディションを維持し、例え体格的に不利で、技術的にも相手に分があっても絶対に走り負けない。最後まで諦めずに走りきる!!

三胆:チームメイトを信頼し、お互い助け合い、気迫を持って試合に臨む。

おりしも次のHK Krauts戦は、今バロンドールに最も近いと噂される男、益山秀人の大大大壮行会予定日である。今季チームのために誰よりも体を張り、ゴールマウスを守ってくれた守護神を気持ちよく送り出すためにも、同じ相手に二度負ける訳にはいけない。個人的には、虎になったつもりで相手からボールを狩り取るくらいの気合いで試合に臨みたい。

※本当にどうでもいい余談だが、興味本位で対面の選手にチーム名の由来を聞いたら、戦時中に英国人が「ドイツ人=Sauerkraut(キャベツの塩漬け)を食べる人=Kraut」と呼んでいた、ある種の差別用語が由来らしい。もちろん冗談的に使っているそうだが……。

文/鈴木 周

〈試合結果〉
Shooters FC 1-2 Hong Kong Krauts
(石黒 64分)

〈今季成績〉
2014-15 Legal League
5位 勝ち点22 7勝1分7敗 得点24失点18

http://www.legalleague.com.hk/seasons.php

〈今季チーム内ランキング(全公式戦)〉
【得点】
1位 吉村康弘 5得点
2位 津田哲平 4得点
   名取一樹
4位 新田 悠 1得点
   川端勇介
   今井雄一郎
   西井敏之
   間野泰光
   杉山俊哉
   齋藤 弘
   井頭英信
   井川洋一
   福谷健二
   田口聖教
   石黒敬司

【アシスト】
1位 間野泰光 2アシスト
   西井敏之 
   齋藤 弘
5位 Kwan   1アシスト
   小林佳樹
   石黒敬司
   吉村康弘
   星 哲史
   加藤新竝
   名取一樹
   桜井達夫
   津田哲平
   杉山俊哉
2014-15 Legal League第15節 vs Legal Head 2015.2.7 @Po Kong Village #1
2015年02月13日 (金) 14:15 | 編集
Kick off: 19:00
気温: 16℃
湿度: 66%
天気: 晴

〈布陣〉
          杉山俊哉
         (津田哲平)

    内野航平  名取一樹  間野泰光
   (桜井達夫)      (二宮義和)

       小林佳樹  齋藤 弘

 鈴木 周  田口聖教  原 仁志  西田耕二
(脇 信輔)           (今井雄一郎)

          吉泉光一

〈レポート〉
 禁煙2週間目──。体調が悪くて禁煙したのに、相変わらずコンディションが上がらない。予定では、禁煙すればスーパープレーが出来るはずだったのだが……。
 そんなことを思いながら会場に到着した。言い訳できないぐらいコンディションの良いピッチと気候。上位を目指すシューターズとしては、絶対に負けられない下位チームとの対戦だった。

 開始早々、急造のセンターバックとボランチで何となく距離感が悪く、それを修正できないままだったが、相手攻撃陣の単調な攻めもあり、ピンチはほとんどない。相手のプレッシャーが弱いのもあっていつもよりも攻撃の幅が広く、スペースに抜けたり、ワンツーで崩すなど多彩な攻撃を見せ、相手キーパーと1対1のシーンも何度かあったが得点には結びつかなかった。
 チャンスの後にはピンチ有り。センターラインあたりで相手FWのマークが緩くなり、前を向かれてスルーパスからのダイレクトシュートを決められて先制を許す。一瞬の隙を突かれた格好だが、完全に私のマークが甘かったが故の失点でした(猛省)。序盤から気になっていたボランチとの距離感を修正しないまま、何となくプレーを続けたのが失点の要因だ。

 後半はキャップから全体的に球際をもっと厳しくいくよう指示があり、その成果もあり立ち上がりは悪くなかったが、相手FWの個人技でかわされて2失点目喫をした。
 2点ビハインドのシューターズは、前半から披露していた良い攻撃の形が遂に結実。流れるようなパスが繋がり、最後は桜井のお膳立てから名取主将のハーフボレーが決まり、1点差に詰め寄る。その後、押せ押せムードになり、幾度となく得点チャンスを迎えるが決めきれず、逆に一瞬の隙を突かれてロングスローから3失点目を許してしまう。
 最後に津田の落としから、私がミドルシュートで一矢を報いたものの、時すでに遅くタイムアップ。いつもは耐えて守り抜くディフェンスが、間隙を突かれて3失点してしまった試合でした。

とはいえ、攻撃陣はいつもよりも良い形が作れており、今後に可能性を感じさせる内容だった。守備陣はもっと球際を厳しく、さらに対人の強さをつけないと駄目だと痛感した試合でした。

文/田口聖教

〈試合結果〉
Shooters FC 2-3 Legal Head
(名取 42分、田口 64分)

〈今季成績〉
2014-15 Legal League
5位 勝ち点22 7勝1分6敗 得点23失点16

http://www.legalleague.com.hk/seasons.php

〈今季チーム内ランキング(全公式戦)〉
【得点】
1位 吉村康弘 5得点
2位 津田哲平 4得点
   名取一樹
4位 新田 悠 1得点
   川端勇介
   今井雄一郎
   西井敏之
   間野泰光
   杉山俊哉
   齋藤 弘
   井頭英信
   井川洋一
   福谷健二
   田口聖教

【アシスト】
1位 間野泰光 2アシスト
   西井敏之 
   齋藤 弘
5位 Kwan   1アシスト
   小林佳樹
   石黒敬司
   吉村康弘
   星 哲史
   加藤新竝
   名取一樹
   桜井達夫
   津田哲平
2014-15 Legal League第14節 vs KCC Royals 2015.2.2 @Kings Park
2015年02月11日 (水) 22:50 | 編集
Kick off: 21:00
気温: 17℃
湿度: 71%
天気: 晴


〈布陣〉            
          杉山俊哉
         (井頭英信)

    加藤新竝  福谷健二  間野泰光
   (内野航平)      (二宮義和)

       名取一樹  斉藤 弘

 鈴木 周  吉泉光一  星 哲史  西田耕二
(Javeed)             (小林佳樹)

           Hin

〈レポート〉
 2月2日、月曜日。平日だというのに、この日も16人の男たちが集まった。なかには仕事を早退し、家で一眠りしてコンディションを整えてから来るという、公私混同のお手本のようなサッカー愛を持つツワモノまで。そこまで気合をいれて臨む相手は宿敵KCC Royals。筆者自身は初めて対する相手であるが、昨シーズン2試合、そして今シーズンも1試合目は敗れている天敵だ。横綱・白鵬で例えるなら大関・稀勢の里のような存在である。勝てば単独3位、苦手意識を払拭する同時に昇格へ向けて上位の座を確立する大事な一戦である。

 ただし気合が空回りしてもよろしくないということで、試合前に名取キャプテンから、「審判へのヤジは一切禁止。見つかった場合は処罰の対象になる」と、リーグから正式な形で新ルールの案内がきたと報告があった。俺たちが発端でできたルールではないと信じたいが、キャプテンがぼそっともらしたことで、筆者個人的には、もしかして、と思っていた。それははさておき、時を同じくして日本でも白鵬が審判を批判してちょっとしたニュースになっているらしい。かつて大横綱・大鵬が、審判が間違えるような相撲をとった自分が悪いと、ジャッジのミスさえも自らの力不足と認めるように、圧倒的な力の差で勝利すればいいだけのことである。リーガルリーグのおじいちゃん審判員にはぜひ安心していただきたい。幼少期から相撲を理解している我々日本人にとって、審判にヤジを言わないなんてことは、熱い気持ちでプレーしすぎて退場になることに比べれば、はるかにたやすいことである。

 試合前のウォーミングアップでシュート練習とサイド攻撃を入念に行ったことがよかったのか、試合開始直後から攻勢をかけるShooters。当たり前のことのようだが、強い相手にはなかなかできない、この「前から攻める」ことが序盤からできていた。

 1分、斉藤のインターセプトから間野へボールが渡り、いきなりのシュートチャンス。残念ながらこれはブロックされるが、続いて5分、本日、助っ人に駆けつけたパウリスタのキャプテン福谷からのクロスを我らがSFCのキャプテン名取が、自身が最も得意とする(?)伝家の宝刀「the ヘディング後ろそらし」で、こちらはブルズとSFC掛け持ちの左MF加藤へとボールがつながる。ここで加藤は得意の左足のボレーを放つが、これもまたゴールには至らず。さすが、オnew(編集部注:20代なのになかなかオールドスクールな表現を使うね〜)のヘアバンドをつけたキャプテンのそらしは今日も絶好調である。8分にはオーバーラップをした鈴木のパスから杉山がシュート。これも枠はとらえたものの、初老のキーパーにはじかれる。相手の攻撃に耐えながら数少ないチャンスをものにする試合運びの多いShootresだが、今日は序盤から攻撃をたたみかけ、立て続けにシュートを放つ。

 イケる。誰が何と言おうと流れは完全にうちにある。

 先制点をもぎ取るため、選手たちがしっかりと連動している時間は続いていく。特にこの時間に目立ったプレーは、中盤と後ろの選手によるインターセプトではないだろうか。相手中盤にボールがわたろうものなら、名取、斉藤のダブルボランチによる、しつこく、ねっとりとしたディフェンスが立ちはだかり、もう1本前に行こうものなら、西田、鈴木が難なく相手の前に身体を入れてパスを防ぐ。おそらくリーガルリーグ2部には、彼らの前に身体を出せない相手はいないのではないかと思うくらい、この日も守備陣が快調に相手の攻撃の芽を摘んでいく。

 しかし前がかりになる一方で気をつけたいのは、そう、カウンターだ。ゆっくりパスを回される分にはついていけるが、1本の長いパスで局面を打開する類いのものは、1人でも前線にスピードのある選手がいるだけで、草サッカーでは簡単に脅威になってしまう。17分、そのカウンターからKCCの背番号2番の個人技によりピンチを招く。このシュートは枠をはずれたが続けて23分にも同じく2番にシュートを打たれ、こちらはポストに当たって何とか難を逃れた。何度かゴールに迫られるシーンこそあるものの、久々にシャバに戻ってきた吉泉が、3試合のブランクを感じさせない身を挺したディフェンスを見せ、最近すっかり既婚者色に染まり、「嫁が、嫁が」が口癖になりつつある星も(編集部注:目に浮かぶよ。微笑ましいなあ)、今日も的確なシャウトでディフェンス陣を統率していく。さらにはもう一人の助っ人ゴールキーパーHinの安定したセービングもあり、前半は終始Shootersのペースで進んでいく。

 25分、小林の高い位置でのボールキープから絶妙なクロスが福谷へ渡る。惜しくもトラップ際をキーパーに狙われシュートまで持ち込めなかったが、単調なシュートを繰り返すわけでもなく、右からも左からも、中盤からもバリエーション多く攻めるSFC。得点こそ奪えなかったものの、良い形で前半を終えた。

 ハーフタイム、なかなか全体での後半に向けた話が始まらなかったのも、前半のままキープできれば大きな問題はないということか。チームで唯一平成ジャンプへの入団資格をもつJaveedからも、「前にうまいのが一人いるけど、そいつを抑えればディフェンスは十分。カウンターに注意して、ゴールを狙おう。勝てる相手だ!」と発破をかけられる。チーム全員がここでもう一度気を引き締めて、後半のピッチへ散らばっていった。

 後半立ち上がりも比較的優位に試合を進めるShooters。39分、福谷のスルーパスに反応した井頭が後半最初のシュートを放つ。続けざまにもう一度井頭が、今度は右サイドを相手もろともドリブルで駆け上がり敵陣地へ進入する。先週フルマラソンを終えたばかりの男にとって、Kings Parkのグラウンドなどあまりに小さいのだろう。さらに46分、今度は斉藤がドリブルからミドルシュート。
 
 そろそろ得点の香りが十分に立ち込めたところでついにその瞬間は訪れた。51分、相手陣内でトップ下の福谷がインターセプトをすると、そのままフェイントを交えながらシュートを放つとネットは揺れた。ゴーール!!!
 
 待望の先制点は、これまでずっとおしゃれなプレーでチャンスを演出してきた男、福谷の左足から生まれた。利き足とは逆の足でゴール右上に突き刺さったミドルシュートは筆者が参加した日は今シーズン負けなしという不敗神話をさらに確固たるものとするように思われた。

 その後も福谷の勢いはとまらず、今度はおしゃれなループで相手ゴールを襲う。その1分後には斉藤のカミソリシュートを想起させるフリーキックが放たれる。わずかにゴール右へそれてしまったが、流れは依然、我々にあるようだった。

 しかし、因縁の相手、KCC Royalsはそう簡単には勝たせてくれない。55分、右サイドで相手の突破を許すと、大柄なトップへボールが入る。そのままぐるりと反転し、振り向きざまに放ったシュートがゴール右上へ突き刺さる。全盛期の大関・千代大海並みの腰使いによる強烈な一発で同点ゴールを許してしまう。

 失点を機に流れが少しずつ相手チームへ傾いていくと、58分にはSFCゴール前の混戦から相手のシュートが入りそうになるが、ここはすばやい反応を見せた星が何とかクリア。だが63分、相手コーナーキックのこぼれ球から、グラウンダーのシュートで追加点を奪われると、試合終了直後にも加点を許し、最終的に1-3で試合を落としてしまった。

 先制していただけに、悔しい結果となってしまった。試合を振り返れば、あの時こうしていれば、もう1歩動いていれば、と悔やまれるシーンが一人ひとりにあるのではないだろうか。上位に君臨するチームとの違いは、こういう順位で下の相手にしっかり勝ち切るという、言葉にするのは簡単だが、昇格するには必要である力を身につけていくことが大事だとあらためて感じさせられた。

試合に負けてもちろん悔しい、死ぬほど悔しいが、筆者個人的には平日にサッカーの試合ができてとても嬉しかったことを、あえてこのレポートに書きたいと思う。まさか香港にきて、こんな素敵なオジサマ達と週末だけでなく、平日の仕事終わりにも一緒にサッカーをやって、あーでもない、こーでもないと学生時代に戻ったようにスポーツができるとは想像もしていなかった。帰任の可能性におびえながら過ごす2月ではあるが、次戦以降、また勝利を重ね、一杯でも多く皆とうまいビールを飲みたいと願ってやまない。

文/杉山俊哉

〈試合結果〉
Shooters FC 1-3 KCC Royals
(福谷 51分)

〈今季成績〉
2014-15 Legal League
4位 勝ち点22 7勝1分5敗 得点21失点13

http://www.legalleague.com.hk/seasons.php

〈今季チーム内ランキング(全公式戦)〉
【得点】
1位 吉村康弘 5得点
2位 津田哲平 4得点
3位 名取一樹 3得点
4位 新田 悠 1得点
   川端勇介
   今井雄一郎
   西井敏之
   間野泰光
   杉山俊哉
   齋藤 弘
   井頭英信
   井川洋一
   福谷健二

【アシスト】
1位 間野泰光 2アシスト
   西井敏之 
   齋藤 弘
5位 Kwan   1アシスト
   小林佳樹
   石黒敬司
   吉村康弘
   星 哲史
   加藤新竝
   名取一樹
2014-15 Legal League第13節 vs Samurai Blue 2015.1.24 @Kwong Fuk Park
2015年02月01日 (日) 00:00 | 編集
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Kick off: 16:30
気温: 19℃
湿度: 58%
天気: 曇り

〈布陣〉
           井頭英信
          (津田哲平)
          (杉山俊哉)
          (Javeed)

     加藤新竝  井川洋一  間野泰光
    (Kwan)        (二宮義和)
                (内野航平)

        齋藤 弘  名取一樹

  鈴木 周  三竹美彦  吉村康弘  西田耕二
 (垣崎 靖)(田口聖教)(今井雄一郎)(小林佳樹)

           益山秀人 

〈レポート〉
「あなたにとって、フットボールとは?」あるインタビューでそう訊かれたジョゼ・モウリーニョは次のように答えた。「エモーションだ」

 この希代の名将をリスペクトし、時にニックネームに拝借するShooters FCの背番号21も、もし同じ質問をされたら、そう答えるはずだ。彼はこのチームに在籍した約6年間、大いなる感情をもってクラブに関わってきた。今ではここの仲間と味わう勝利に勝る喜びは、ほかに見出すことができないほどに。
 一方で、この男の職業はジャーナリストである。世の事象を見たままに伝えるべきジャーナリズムにおいて、私的な感情は不要とされる。常にニュートラルな立場で公正な報道をする、それが良しとされる世界だ。
 ならばそんな肩書きは、ここでは捨ててしまおう。しばしの別れに立ち会ってくれた多くのチームメイト、ファミリー、教え子の少年たちとの70分間を振り返ると、彼の心は常に動き続けていた。情熱、葛藤、悔恨、諦観、歓喜、安堵、そして切なさ。それらを抜きにこの日を、そしてフットボールそのものを語ることなど、できるわけがないのだから。

 最初に強烈に感じたのは、加藤新竝のキックに込められた想いだった。元々、左足のクロスやフィードに定評はあるが、この日はスワーブの鋭さとボールの勢いが違った。キッカーの気持ちが乗り移った球は、まるで意志を持った生命体のように味方のもとへ向かい、早速、開始3分に喜びをもたらす。誇り高き鬼軍曹・間野泰光が獲得したCKを加藤が蹴ると、インスイングのボールは美しい弧を描いてゴール前に届き、最年長の井頭英信がヘッドで押し込む。謙虚さを失わないスーパービジネスマンの今季初ゴールを、井川洋一は自分のことのように喜んだ。いくつになってもチャレンジを忘れない40台半ばのジェントルマンは翌日、人生初のフルマラソンに出走予定だという。健闘を祈るばかりだ。

 澄んだ心を持つ背番号7のキックの質はその後も一向に落ちない。再び同じような形から、井頭がゴール前の混戦に身体ごとぶつかってネットを揺らしたが、ファウルの判定でノーゴールに。さらに10分には、またも加藤の右CKから井川がDFと競り合いながらヘディングを放つも、ボールは枠を外れていく。「5点取る」と豪語した36歳のMFは、この絶好機を逃したことを悔やんだ。これほどのチャンスはもう訪れないのではないかと。

 その後、日本代表のシャツを着た相手も徐々に攻勢をかけてくる。だが、今季のSFCの好調を支える鉄壁の守備陣は、この日も気迫の寄せと的確なカバーリングで要所を締めた。サムライではなく真の侍・鈴木周が鋭い出足でパスカットすれば、上海から駆けつけてきてくれた鉄人・三竹美彦は相変わらずの安定感を示し、シャイなだけでホントは家でも優しい分析官・西田耕二も相手にしっかりと身体を当てて前を向かせない。そして、最後尾の官能小説家・益山秀人はあやうく同点とされそうな1対1の場面でも、抜群の反射神経でシュートを防いでみせた。さらには、おそらく実際にもキャノン砲を装着しているはずの吉村康弘が、まずはヘディングで相手ゴールを襲う。これまでSFCバロンドールは、クワン・ウォン・シン、井川、越智公大と攻撃的な選手が選出されてきたが、今季は守備陣から初の受賞者が生まれるような気がする。そこに割って入るべく、中盤より前の選手の奮起にも期待したい。

 試合はそのままSFCの1点リードで折り返したが、相手のカウンターに晒された場面もあり、まったく気の抜けない状況だった。「球際にもっと激しくいこう。相手に合わせているようなところがあるので、しっかりプレーをしよう」と頼れる軍師・齋藤弘がその空気を感じ取り、チームメイトに喝を入れる。ピッチの内外でパトロールに精を出す背番号2の存在は、かくも大きいのだ。

 後半の序盤は一進一退の展開となり、まずは相手が右サイドからシュート性のクロスでゴールを襲う。対するSFCは、CB吉村が「ヨウ君!」と最終ラインの裏に抜け出す井川を呼びながら見事なロングフィードを送ったが、わずかに届かずチャンスには至らない。攻守が目まぐるしく変わるなか、今度はサムライ・ブルーが決定機を創出する。32番が巧みなトラップから前を向き、マークを外してGKと1対1のシーンを迎えるも、またしても守護神・益山が見事なダイブで強烈なシュートを阻止。このプレーに勇気づけられたSFCはその4分後に待望の追加点を手にする。

 走り込みの成果が徐々に現れている二宮義和が右サイドからクロスを上げると、逆サイドまで伸びたボールを井川が追う。相手と競り合いながら後方の加藤に預け、手料理で女性を虜にする愛すべき主将・名取一樹を経由して、ボールはオーバーラップしたCB吉村の足下へ。この大砲に時間とスペースを与えれば、ゴールは陥落する。それを再認識させるような重いミドルがネットに突き刺さった。「It’s just for you!!!」アメリカ育ちのヘビータンクから、はなむけの追加点と言葉をもらった井川は鼻の奥にしびれるような感覚を覚えた。そしてあらためて、自分のゴールが生まれなくても、チームが勝利すれば、それだけで心から喜べると思えた。
 ただ、それはある種の諦めでもあるのか。実際、「このリードを守るべく、低めの位置で守備に徹しようか」と考えていたのも事実だ。しかし、「ヨウさん、戻ってこなくていいよ!」と齋藤が背中を押し、モデルと仲良し津田哲平も「オレが競るから、前に走り込んでや!」と激励してくれる。今季はまだ1得点も記録していない21番だが、仲間の期待に応えないのはクールじゃない。高いポジションで、虎視眈々とチャンスを伺うことにした。

 すると、その場面は思いのほかすぐにやってきた。名前の通り「日本代表のようなサッカーを目指している」という対戦相手は、ロングボールに頼らずに後ろから繋いでくるチームだ。しかしながら技術が伴わず、ショートパスが何本も続くことはあまりない。それを知る井川は、相手ボランチにボールが入った瞬間を狙い、トラップミスから転がっていったボールをダイレクトでシュート。完全にミートしたとは言い難いミドルだったが、ボールはGKの脇を抜けてなんとかゴールに収まってくれた。コーチ仲間のモハメド・ジャビードに身体を持ち上げられた時、嬉しさのなかにホッとした気持ちがあったのも事実だ。目標まであと4得点あるにせよ、使命は果たせた。いずれにしても、この時の光景と仲間の祝福はきっと忘れない。

 その後、井川のアーリークロスから、センスに溢れるレフティ・杉山俊哉がダイレクトボレーを放つが惜しくも枠の外へ。さらにはFKのこぼれ球をチーム一のテクニシャン・クワンが落とし、シェイプアップを誓う内野航平がダイレクトでシュートを撃つもボール一個分、ポストの脇へ飛んでいった。「決められなくて悔しい。これからはどんどん狙っていくよ」と試合後に語った18番の今後に期待しよう。
 終盤には、心優しき都会の放浪者・小林佳樹がゴールを狙い、雄弁な勝負師・田口聖教と幻のフォトジェニック賞を獲得した今井雄一郎が堅実な守りを見せ、今後のSFCの核となるはずの垣崎靖が高いスキルを披露する。ベンチでは、捻挫した足を抱えながら明日のレースを控える西井敏之や、熱きハートに自ら火傷することもある吉泉光一が、出場できないにもかかわらず最後まで檄を飛ばしてくれる。

 こんなに最高の仲間たちと同じピッチに立てなくなるのか──。そう思うと、空を見上げることしかできなくなった。

 振り返れば、この6年間には様々な出来事があった。入部半年ほどで主将を任され、それならばとチーム改革に乗り出し、最初は付いてきてくれる人とそうでない人がいた。結果もなかなかともなわなかったが、それでも信念を貫いて幹部を続け、そのチームが今まさに実りの時を迎えようとしている。出来ることなら、せめてあと1、2年ほど、このチームメイトたちとボールを追いかけたかった。香港という土地に未練はないにしても。
 寝不足で走り過ぎたからか、最後は両足をつって、ピッチの外で試合終了の笛を聞いた。3-0の快勝。最高の幕引きである。仲間のもとに戻って、何度も宙に舞い、この愛おしい時間を噛み締めて胸に刻んだ。

 海外の日本人チームであるかぎり、出会いと別れは必然的に訪れる。しかし、ここで培った絆は永遠のものだ。それだけは間違いない。

 みんな、本当にありがとう。誰かのためにやってきたわけじゃないけど、SFCの一員で本当によかった。これからも、この素晴らしいチームを全員の力で維持して、引き続き存分に楽しんでほしい。背番号21は、今後もずっと君たちと共にある。

 さらば、香港。また会おう、SFCの勇士たち。

文/ジョゼ・ヨウリーニョ

photo (1)


〈試合結果〉
Shooters FC 3-0 Samurai Blue
(井頭 4分、吉村 47分、井川 56分)

〈今季成績〉
2014-15 Legal League
3位 勝ち点22 7勝1分4敗 得点20失点10

http://www.legalleague.com.hk/seasons.php

〈今季チーム内ランキング(全公式戦)〉
【得点】
1位 吉村康弘 5得点
2位 津田哲平 4得点
3位 名取一樹 3得点
4位 新田 悠 1得点
   川端勇介
   今井雄一郎
   西井敏之
   間野泰光
   杉山俊哉
   齋藤 弘
   井頭英信
   井川洋一

【アシスト】
1位 間野泰光 2アシスト
   西井敏之 
   齋藤 弘
4位 Kwan   1アシスト
   小林佳樹
   石黒敬司
   吉村康弘
   星 哲史
   加藤新竝
   名取一樹
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