Shooters FC
We are crazy about football! No one can stop us! (日本人サッカーチーム in 香港)
2014-15 Legal League第17節 vs Young Guns 2015.3.7 @Ma On Shan Recreation Ground
2015年03月26日 (木) 12:19 | 編集
Kick off: 15:00
気温: 18℃
湿度: 60%
天気: 曇

〈布陣〉
          津田哲平
         (佐藤順平)

    加藤新竝  名取一樹  小林佳樹
   (原 仁志)      (間野泰光)
               (二宮義和)

       西井敏之  齋藤 弘

 鈴木 周  吉泉光一  工藤晋一  吉村康弘
(垣崎 靖)            (西田耕二)

          益山秀人

〈レポート〉
 旧正月後の2試合目は宿敵クラウツ戦の敗北後の立て直しを図りたい試合だ。相手はリーグ首位のYoung Guns。しっかり準備をして慎重に臨みたいところだ。しかしこの日のシューターズ、皆が上手く試合に入れたかと言えばそうでもない。

「あれ、グラウンドはどっちかな?」

 集合時間を15分程過ぎた午後2時15分、MTR Heng On駅すぐ近くで原が首を傾げていた。本日の会場であるMa On Shan Sports Groundは、シューターズにとって初めてではないものの香港島サイドからは便が悪く、アップを兼ねてBoen Rdをジョギング中キャップのガールフレンドと遭遇したため時間に遅れていた原は焦っていた。と、そこに丁度良く風紀委員長二宮が通りすがる。冷静な二宮はピッチまでの道に詳しく、二人は20分の遅刻で現地に到着した。Young Gunsのような強敵に集合からこの始末、鬼と言われた前キャップ内野航平であれば、「何フワフワしてるんだ!」と怒鳴っていただろう(しかし当日内野は日本、助かった……)。

 試合開始30分前、アップ中の小林佳を異変が襲う。季節外れの蚊に刺されたような跡が膝裏に多量に発生したのだ。「俺は今攻撃を受けている! 新手のスタンド使いか!」その後、攻撃していたのはMa On Shan Ground西側にのみ生息する小さな殺人蚊(著者注1)で、相手チームの中にその使い手がいるらしいことが分かった。小林は自らを刺した蚊の針を強靭な筋肉で締め付け、抜けないようにしてしまうという、蚊針締付術を体得しており、そのおかげで事なきをえたが、刺されたのが他の部員だったらと考えると……やはり首位のチーム、試合開始前から安心できない。

 午後3時、試合は静かに始まった。シューターズのプレスの速さと、前回に敗れはしたものの0-1という結果に相手が警戒しているせいか、開始5分の支配率も五分五分、悪くない展開を予想させた。

 しかし開始6分、シューターズをアクシデントが襲う。左MF加藤が相手との接触プレーで足を捻挫したのだ。幸いグラウンド管理事務所に氷が用意されており、アイシングを施したが、プレー続行が不可能になってしまった。これに対しシューターズは新加入の佐藤を投入し、事態の打開を図る。

 するとその佐藤が早速魅せる。10分、左サイドコーナーフラッグ近くでボールを受けた後すかさず縦に突破、これが相手DFのファウルを誘いFKを得たのだ。このFKは相手に跳ね返されたものの佐藤はこの後も再三突破を試みる。

 この日のシューターズは、相変わらず出足の良い守備で度々Young Gunsの攻撃を途切れさせていたが、リーグ首位の相手を極度に警戒したせいもあり、つなげそうなところをクリアしてしまったり、やや勿体無い場面が散見された。

 Young Gunsが少しずつ支配率を上げ、シューターズが走らされる局面が増えてきた22分、思わずペナルティ前でファウルを犯すと、Young GunsのFKがシューターズのGK益山を襲う。この守護神、数日前に3月末で日本への移籍を発表していたが、実はシューターズきってのサッカーエリートであった。高校時代は1年生にしてレギュラーの座をつかみ、福島県代表として高校総体に出場。GKとしては高くない身長ながら、抜群の反射神経で活躍していたそうだ。彼の身長があと20㌢高かったらこのスポーツでご飯を食べていたかもしれないし、筆者も彼と肩を並べるGKは”マッチ”(注2)以外に見たことがない。

 前述の通り、彼は帰国を決めていた。これは筆者の勘繰りであるが、実は妄想小説家への転身を図ってのことではないだろうか。彼にはサッカーだけでなくモノを書くセンスがある。シューターズのマッチレポでもその文才を余すところなく開花させていた(編集部注:バロンドールとピュリッツァー賞のダブル受賞も夢ではなかったですね)。

 話を試合に戻そう。Young GunsのFKはゴール右隅ぎりぎりを捉えた、なかなか良いコースだ。すると益山が横っ飛びでボールに触ったように見えたが、わずかに届かずシューターズは先制点を与えてしまう。恐らく通常の益山であれば余裕のボールだったはずだが、小説のアイデアを妄想中だったのかもしれない。

 不運な失点にめげることなく走り続けるシューターズだが、26分、今度は自陣右サイドを突破される。DF陣が身体を投げうってシュートコースを塞いだが、ゴール前で繋がれ、ボックス前からまたもやゴールを決められた。Young Gunsはここまで圧倒的にゲームを支配していた訳ではないが、4分間に立て続けに得点を挙げられるのはさすが試合巧者と言うべきか(グラウンド外に飛んでいったボールを拾いにいってくれた二宮、小林両選手、ありがとうございます)。

 エンドが変わった後半、先にチャンスを作ったのはシューターズだった。5分、斎藤が相手ボックス近くで倒されると、FKで恐るべき得点率を誇る吉村が直接狙う。強烈なシュートは力強くゴールに向かっていったが、惜しくもボールはバーを越えてしまう。また8分、またもや斎藤が右足でミドルを狙うがこれは惜しくも左へ外れていった。一連のミドルシュートはハーフタイム中の「あのGK、ミドルシュートが効きそう」という斉藤の指摘に沿ったものだった。

 まだまだゲームはこれからだと、シューターズの誰もが思った9分、またもやYoung Gunsの高い決定力が牙を剥く。シューターズが右サイドから攻めに出ようというところを低い位置でボールを奪われ、そのまま右サイドを突破され、クロスから30番に決められてしまったのだ。0-2から1点返せばまだまだゲームは分からなかったという展開だっただけに、この失点は効いた。

 しかしシューターズは諦めない。15分にコーナーを得ると西井のキックに工藤が合わせヘディングシュート、しかし不運にもこれはキーパーの真正面へ。直後の22分、逆に相手CKが直接ゴールポストに当たり跳ね返ったところをフリーで決められ0-4とされてしまった……。

 その後、原のセンタリングから津田のボレーなど、最後まで諦めることなくゴールに向かったシューターズだったが、無情にも0-4のままホイッスルが鳴り、前回の0-1の雪辱を晴らすことができなかった。前後半ともに入りは悪くなかっただけに悔やまれる敗戦であると同時に、Young Gunsの決定力の高さを見せつけられた試合であった。

 これでシューターズは1/26にSamurai Bluesに3-0で勝利して以来4連敗中だ(KCC Royals戦: 1-3, Legal Head戦: 2-3, HK Krauts戦: 1-2, Young Guns戦: 0-4)。上位陣との試合が続いたとはいえ、上位を狙うシューターズにとっては悔しい結果である。追い打ちをかけるようではあるが、これまでシューターズのゴールに鍵をかけていたGK益山が3月をもって帰国する。怪我人、病人も抱え、試練は続くが、まだまだリーグは終わっていない。各人めげることなく、フワフワせずにやるべきことに取り組んでいくことが、改善につながっていくと信じたい。

注1: 民明書房刊「亜細亜暗殺と蹴球の歴史 其ノ壱香港編」(1985年、絶版)より

注2:シューターズ史上初のプロサッカー選手(ただし本業は商社マン。)マカオリーグでGKとして活躍、当時得点力不足に悩んでいたシューターズでは主にFWでプレーした。マカオで1回家に泥棒に入られている。

文/原 仁志

〈試合結果〉
Shooters FC 0-4 Young Guns

〈今季成績〉
2014-15 Legal League
8位 勝ち点22 7勝1分8敗 得点24失点22

http://www.legalleague.com.hk/seasons.php

〈今季チーム内ランキング(全公式戦)〉
【得点】
1位 吉村康弘 5得点
2位 津田哲平 4得点
   名取一樹
4位 新田 悠 1得点
   川端勇介
   今井雄一郎
   西井敏之
   間野泰光
   杉山俊哉
   齋藤 弘
   井頭英信
   井川洋一
   福谷健二
   田口聖教
   石黒敬司

【アシスト】
1位 間野泰光 2アシスト
   西井敏之 
   齋藤 弘
5位 Kwan   1アシスト
   小林佳樹
   石黒敬司
   吉村康弘
   星 哲史
   加藤新竝
   名取一樹
   桜井達夫
   津田哲平
   杉山俊哉
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